定例会での報告です

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2020年12月5日(土) 「父として」

男として、父として、人として、「今しかできない」大切な時がある。

 

身体に障害がある子供を持つ家庭をサポートしている会が発行した日めくりカレンダーの一文です。

 

摂食障害の子供を持つご家庭でも、この一文はあてはまります。とても意味がある言葉です。

会に参加されるお母さんの日常で起こる子供との関わりを聴かせてもらっていると、お父さんの存在が見えてこないことが多々あります。

お母さんが1人で全てのことに頑張っていられるご家庭が多いのです。

お父さんは仕事で一生懸命だから、家庭のことはお母さんに任せきりだったり、

お父さんが子供との関わり方を知らずに子育てに関わっていなかったりなのです。

そんな中で、お母さん1人で何とかやってきて、ある日突然、摂食障害で子供が病むということに直面するのです。

「私自身、今まで一生懸命にやってきて、一生懸命に生きてきて、人よりも努力も我慢もして、誰よりも真面目にやってきたのに、誰にも迷惑もかけず頼らずやってきたのに、どうして?なんで私の子供が摂食障害にならなければいけないの!」

というお母さんの心の奥底からの叫びがあります。

それでも1人で何とかやろうとするお母さんですが、摂食障害の症状は生半可なものではないのです。

そこでやっと気付いていくことになります。

子供の摂食障害が回復していくには、お母さん1人の力ではなかなか大変な道のりになるということに。

回復していくには、お父さんの力がとても大切なことになっていくのです。

子供に直接関わることの多いお母さんを支えるのはお父さんです。

まずはお母さんの気持ちを聴きながら、お母さんの辛さや苦しみに共感して、お母さんの話を聴いてあげることをやってほしいと思います。

それだけでもお母さんが随分楽になるはずです。その分、お母さんも子供に向き合っていける力が満ちてくるのです。

お母さんにアドバイスしたり、叱咤激励する必要は無いしやめて下さることをお願いします。

ただお母さんに寄り添ってあげてほしいのです。

そのお父さんとお母さんの関係の空気が自然と子供に伝わっていきます。その空気感が漂うだけでも、家庭にも子供にも変化が生まれてくるのです。

そしてご家庭で、父として子供さんとの関わりが始まってきます。

始めは子供と気持ちのすれ違いがあることは当然です。今までお母さん任せにしてきたのですから、子供の気持ちや言葉に対して噛み合うわけがありません。でも、色々な失敗を糧にしてやっていけば必ず実を結びます。

今しかできないことがあるのです。父として。

関わり方は、各々の家庭によって違います。

向日葵の会では、お一人お一人のお話を時間をかけて十分に聴かせてもらったうえで、家庭に合った関わり方を一緒に考えながらアドバイスさせてもらっています。

どうか、1人で抱えず、家庭だけで抱えず、親の会に足を運んでみて欲しいと思っています。

2018年10月20日(土)「娘の摂食障害を通して、色々なことを教えてもらいました」

摂食障害の娘さんを抱え、5年の間、家庭内で起こる様々な出来事に途方に暮れていた矢先、去年開催した公開講座「摂食障害を語る」をきっかけに向日葵の会に参加されて1年が経ったご家庭のお父さんの言葉です。
この1年の間に過去5年間の事を「空回りしていた」と表現されたお母さん。
どんなに辛く、苦しく、切ない5年間だったのかと思うと、経験してきた私達母親は誰もが涙します。
通ってきた道だからこそ、お母さんの気持ちが手に取るように分かるのです。
そのご夫婦が、この1年間に向日葵の会に通われることを土台にして娘さんとの関係に様々な変化が起こり、そして回復への道を確実に歩み始められています。
お父さんが振り返って見ていわれた言葉です。
「娘の摂食障害を通して、色々なことを教えてもらいました」
摂食障害は本人だけの問題ではありません。
本人に症状は過食・拒食と言う形で表れていますが、ご家庭やご家族にも課題を投げかけているのです・・・・・
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